緑黄 色野 菜
主な産地
●大久町大久地区
ササゲの産地は熱帯アフリカといわれており、古代に、エジプトから アラビア、インド、地中海地域へと伝わり、中国へはシルクロードを経 由して伝わった後、日本へは中国から渡来したとみられます。
ササゲは豇または豇豆と書き、これは紅豆の豆からきたといわれ、古 事記(712)には佐々義、本草和名(ほんぞうわみょう)(918)には豆丁 豆とあるのが最初の記録です。農業全書(1697)には、品種としてつ る性とわい性があり、莢(さや)の長さはさまざまで、種皮の色も白、青、 赤と多岐に分化していることが書かれています。
日本では古くから乾燥種子、若い莢ともに食用として利用されており、 若い莢は野菜として、赤色の乾燥種子は菓子や餡にしたり、ご飯にまぜ て赤飯にして食されています。
十六ササゲ
生産の歴史的由来
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特 徴
十六ササゲはつる性ですので、立ちづくり栽培が主になります。普通 は苗床を作る3月下旬に播種し、茎が13cm、葉が5枚ほど付いた頃に 定植します。直蒔きでは4月中旬から始めます。株間は50cm ほどです。 開花から 1 週間ほどで野菜として収穫する長さ(約30cm)にな ります。収穫は7月中旬から8月下旬ですが、収穫量が多い時期は 盆飾り用として最も需要の多い8月10日頃です。
採種は、下部に初期の頃にできた莢を選びます。直径約1cm、長さ 約1m ほどに伸びて、黄色くカラカラに乾いた頃に収穫し、莢のまま ザルやシートなどに並べ天日に干します。少し摘んで莢が簡単に割れ るほどに乾燥したら、莢から種子を取り出します。
代表的な栽培方法
ササゲの品種には、愛知県尾張地方の在来種である姫ササゲ、京都 府下柊野(しもひらぎの)地方の柊野ササゲ、各地で栽培されている 十六ササゲ、その他、檜原(福島)、かさささげ(新潟)、黒三尺(関西以西)、 だるま(広島)などがあります。
十六ササゲはつる性のみですので、若い莢が野菜として食されます。 莢に16粒の豆が付くことから十六ササゲと呼ばれるようになった という説もあるようです。
いわき地区でも夏の風物詩となっている「じゃんがら念仏踊り」の 歌詞の一節に「十六ササゲのよごしはどうだい」とあるように、江戸 時代には食されていましたが、昭和40年代前半にはサヤインゲン の作付け増加にともない、栽培者も減少していきました。農家では、 昭和時代初期までは当然のように畑の一角や庭先で自家採種していた 作物ですが、現在では盆飾り用(最近では盆棚に十六ササゲを飾る家 も少ない)としてその時季のみ各地で販売されるだけで、栽培者は数 少なくなってきています。
十六ササゲは一年草で、茎は平らでなめらかです。葉の長さは 10cm ほどでひし形に近く、互生(ごせい)します。葉柄(ようへい) の基部から長い花柄を伸ばし、その先端に2~3対の花を付けます。 花は直径約2cm の淡紫色です。莢は柔軟で細長い円筒形です。長さ は十数 cm から1m にもおよび、色は濃い緑で先端がわずかに赤紫 色を帯びています。収穫サイズは平均30cm。種子は腎臓のような 形をしており、種皮の色は赤褐色です。
若い莢を茹でると鮮やかな緑色になり、サヤインゲンのような芳 醇な風味はありませんが、筋もなく、シャキシャキとした歯切れの よい食感があります。“お盆には茄子と合わせて「じゅうねんよごし」 でいただき、夏の収穫を感謝する”という風習が、現在でもいわき 市内各地で残されています。
○部の箇所より莢が生え伸びる
採種用は黄色になりカラカラに乾くまで、畑に 残しておく
花は淡紫色で早朝開花する
莢
十六ササゲの種子
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●十六ササゲ ●ナス ●じゅうねん味噌(砂糖、酒、味噌、しょう油) 材 料
① 十六ササゲの先端部分を輪ゴムなどで束ね、ナスは食べやすい大きさ に切る
② 沸騰した湯で十六ササゲとナスを1分ほど茹でた後、冷水で冷まし水 気をきり、十六ササゲは5cmの長さに切る
③ じゅうねん味噌を作る。 じゅうねんをフライパンで煎り(※2粒くら い弾けるまで)すり鉢ですり、砂糖、酒、味噌、しょう油を加えて混ぜる
④ ②を③のすり鉢でじゅうねん味噌と和えて器に盛る 作り方
十六ササゲのじゅうねんよごし
先端を輪ゴムなどで束ねてから 茹でると取り出しやすくなる
「じゅうねん」はいわき地方の 伝統野菜のひとつ
十 六 サ サ ゲ の じ ゅ う ね ん よ ご し
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在来作物と伝統・食・文化
い わ き の 盆 と 十 六 サ サ ゲ
十六ササゲは、いわきの夏の風物詩「じゃんがら念仏踊り」の歌詞の中に「盆では米の飯 おつけでは茄子汁 十六ササゲのよごしはどうだい」とあるように、精霊を迎え
る盆の旬の作物でした。 昔は8月
11日頃になると、盆に使用する
ものを並べて売る「盆市(ぼんいち)」が各地に立ち、8月
13日の盆入りには盆棚(精
霊棚ともいう)を作ります。作り方や盆棚に供えるものは各家により少しずつ違いま
すが、一例を挙げれば、四方に細い青竹を立てて柱とし、四隅に綱をわたして周りを桧
(ひのき)の葉で囲い、所々にホオズキを下げます。正面の2本の柱には、桔梗(ききょ
う)、女郎花(おみなえし)を結び飾り、真菰(まこも)のござを敷き、種々の供物を上
げます。 盆棚に供えるものは「カワカンジョウ」
という南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)と墨で書かれた経木(きょうぎ)をはじめ、餅や
団子、そうめん類、柳の木で作った箸、キュ ウリのきざんだものや十六ササゲ、果物は蓮の葉や里芋の葉にのせます。後の仏送(ほとけおくり)の時に仏の乗る
キュウリやナスも供え、キュウリには、足を付けて馬に見立て、早く来て欲しいと願い、ナスは牛に見立て、ゆっくり帰ってほしいと願います。
8月
六た十しと産土の土冥、み包を物え供 16日でザゴ盆、はに朝け明盆の
ササゲで結びます。そうめんは包む網として、十六ササゲはしっかり縛る背
負い綱として例えられているようです。包まれた供物は「秋の彼岸にまたござ
れ」と言って海や川に流します。 このように、十六ササゲは自然の恵
みを大切にしてきた、いわき郷土の伝統ある食文化の一つです。現在では食
する習慣は消えつつあるようですが、盆前の8月
11日頃になると盆飾りの一
品として、その時季のみ各地で販売す
るだけとなっているようです。
十六ササゲ盆飾りの一例。ほかにも精霊棚の両側に垂らすなど、各地域の伝統や信仰により異なる 販売用の十六ササゲ
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